GOING 1年半ぶりのアルバム。一度完成したのを没にして、ツアー*1を挟んで現在位置を確認しつつ、再構成&新曲追加で完成度を高め満を持しての発売となった。
前作『稲川くん』(うちのエントリーその1、その2)は評価が難しいアルバムで、アンチクライマックスな、シンプルで(あえて言うなら)身もふたもないロックに従来からのファンを戸惑わせてくれたわけだが、結論から言えば今回は期待以上の出来。
全体を通して、過去への視線が感じられるんだけれど、それはもうきちんと対象化できた過去であって、そこに耽溺したり拘泥したりする風ではない。今を生きる、気持ちのいい大人*2のありかたを、彼らは見つけることができたんだろうか。
音楽的にもずいぶん幅が。いわゆるGOING的な疾走感のあるギタポ曲もしっかりおさえつつ、ポニキャニ移籍後の骨太ロック路線の「1998〜土曜日の夜、日曜日の朝〜」もありのの、「刹那」のようなエレクトロニカ風味のシティポップも。「9th Route」は今までありそうでなかった、素生と丈さんの一体となったツインボーカル。こんないろんなことができるバンドだったんだ。いや、そういうバンドになったのか。可能性が広がっていく、わくわく感。
素生のボーカルが、これまでよりずっと巧くなってることにも注目すべき。インディーズの頃の「おかあさんのご飯を食ってる」*3少年の一生懸命なボーカル。メジャー後の「胸キュン」な優しい声。おやモンあたりからの、ちょっと気取った節回し*4。移籍後の激しめでやや硬質な感じ。その全部をひっくるめた上で、安定感も表現力も向上してる感じ。なんかトレーニングした?(タモリ調) ずっとライブもやってたしレコーディングもしてたし、実地で鍛えられたのかしら。聴きやすいし聴いていて気持ちがいい。ボーカルの点ではこれまでのベスト。
とにかく、いろんなことが遂にクリアになった。宇宙の晴れ上がり的エポックメイキングな快作ですよこれ。
iTunes Storeでは、こちらから。
追記。
大事なことを書き忘れていた。
こんな渾身のアルバムのど真ん中に、「ナカザのディスコ★」。「ディスコ」か!w そしてまた「★」か!w いや、もうこのエリアは治外法権だわ。許す許す。
もドゾー。