今日も今日とてSF者は積んであるSFの山に埋もれるまいと無駄なあがきを繰り返すわけだが、そんなヲレの今日のあがきは大森望・日下三蔵編『年間日本SF傑作選 拡張幻想』。
この中で、強い印象を得た一篇が、川上弘美の「神様 2011」だった。日常・非日常がフラットなその世界観に、3.11以降の世界の変容という現実が鋭く食い込むくさびのよう。加筆・修正前の「神様」と併せて読みたい、今読みたい、と願ってしまったヲレに囁く誰かの声。
「旦那、Kindleなら今すぐお読みになれますぜ。」
ひどい。人の足元を見やがってとかぶつぶつ言いながらもいそいそとAmazonにアクセスして検索すると、残念ながら「神様」と「神様 2011」が収録された単行本はまだKindle化されておらず。オリジナル版の『神様』も、まだ。唯一、芥川賞受賞作である『蛇を踏む』だけがKindle化されていたので、これはまあ何かの縁だろうということで、1-Click™で購入。¥368。リーズナブル。これは危険な値づけ。
とりあえず、表題作の「蛇を踏む」だけ。
ああ、これはいい。SFではないけれど、これはいい感じの小説。妙に触覚が喚起される。いろんな触覚が。あと世界の中のライティングが、どのシーンでも茫洋として頼りない中、主人公と蛇のまわりだけ激しい光を帯びるところが。
残りの2編も楽しみです。
実は、Kindleで日本語の小説を買うのはこれがはじめて。マンガは荒川弘の『百姓貴族』を買っているけど、それとはまた違う読書感だなあ。
「新しかったiPad」のRetinaディスプレイだと、やっぱりフォント綺麗。これなら十分読める。というか、読むこと自体、目が喜ぶというか。
もちろん、Kindleの「すぐに」「割と安価に」「クラウドベースの」本が買えちゃうという体験自体はもう素晴らしくて、本読みは廃人一直線ルートが約束されていて恐ろしい限りであります。
来週はKindle Paperwhiteも届く予定で、これはもう楽しみで辛抱たまらん。目がつぶれるほどSFが読みたい。Kindleで。
Kindle Paperwhite来週届くのか。いいなぁ。 <br>私はiPad miniとNexus 7とで迷って実物見てから〜と思ってたら出遅れて、来年頭に届く予定になっちゃいました。 <br> <br>ざっとKindleのラインナップ見て、やっぱりメジャーな本が多い感じかな。電子書籍のいいところは在庫って概念がないことだと思うので、再版がかからず入手できなかったマイナーな本も充実してくれると嬉しい。
んー、ちゃんと来週届けばいいけど、Konozamaパターンも依然として…。 <br> <br>で、絶版本とか品切れ本については、特に電子入稿以前のやつだとオーサリング費用も馬鹿になんないので、あんまり期待しないほうが悲しい思いをしなくていいかも。