_ [CCCD] CCCDに反対するスタンス
僕がCCCDに対して反発し、その根絶を願うスタンスを、今一度確認しておきたいと思う。
僕が反対する理由は、主に2つに絞られる。キーワードは、「信頼関係」だ。
- レッドブックにもとづかない、規格外製品であるという技術的問題
技術者的な倫理観からも、また、技術者としての合理的判断としても、規格から逸脱した製品を作ることは愚かしく、恥ずかしいことだ。
規格を守ることは、それに関わる業界すべての利益になる。規格に準拠した製品は、世界に対して開かれている。それをあえて規格外にするということは、自ら「閉じた」世界に閉じこもるということだ。
CCCD(CDSシリーズ)の場合、「ちょっといじっただけだから、プレイヤーのマージンで吸収してもらえるはず」という甘えた(ナメた)考えであるだけに、さらにたちが悪い。これは規格とか技術とか、そういったものに対する冒涜と言ってもいい。
規格は、それを守るべき人たちの信頼関係で成り立っている。オーディオメーカーとレコード会社の信頼の絆は、CCCDによってレコード会社側から一方的に断ち切られてしまった。
- 規格外製品を売り、再生の保障も行わず返品も認めない無責任かつ傲慢な商行為
僕がこれまでシングルやアルバムを何の不安もなく購入できたのは、それがレッドブックに準拠したCDであるのが当たり前であり、そうでないことなど考える必要もなかったからだ。そんな当たり前の日々が、どんなに安心なものであったのか、それが失われた今なら身にしみてわかる。
百歩譲って、再生できない確率はごく少ない、と考えてみてもいい。だが、それが自分のプレイヤーで再生できるかどうかは、実際に購入して、シュリンクラップを破って、再生してみなければわからない。しかも、それを再生してみて、何らかの障害が発生しても、レコード会社もオーディオメーカーも責任を取らない。返品もできなければ修理もできない。泣き寝入りするしかないのだ。こんな商品を、果たして安心して買えるのか?
店頭のCDは、どれでも安心して聴ける。そんな当たり前の、CDショップと顧客との信頼の絆は、CCCDによって断ち切られてしまった。
もっといろんな問題があることは承知しているけれど、僕は、こんなふうに信頼関係を破壊するCCCDが許せない。こんなものは認めない。
音楽業界は、堅い殻の中に自閉しようとしている。大事な宝物だと思いこんでいるものを後生大事に抱え込んだまま、手を差し伸べようとする人たちにすら牙をむいてはねのけようとしている。
だが、その腕の中の宝物は、世界の中を飛び回ってこそ光り輝く美しい小鳥。それを取られまいとしてきつく抱え込むあまり、小鳥は息絶え絶えになっている。それなのに、彼らはいつまでそうしているつもりなのだろうか?