キム兄さんがTV局の楽屋でベースを抱えて凹んでいる。
「俺がなあ、京町バのベースやったの、もう誰も憶えてへんねん…。」
そうだ、そういや、ありちゃんの担当パートはもともとバイオリンで、キム兄さんがベースだったんだ。今ではなかったことにされているけれど、ヲレは思い出した。
「兄さん、ヲレがちょっと笹野に言っとくから、元気出して。」
そう言ってヲレは楽屋を出て、京町バのライブ会場に向かった。
ライブ会場は、荒波の打ちつける海岸の、コンクリートの防波堤の下にぽっかりできたホールのようなスペース。当然波しぶきは降り注ぐし、客席も半ば水に浸かっている。
ライブはなかなか始まらない。
なにかあったのかと思って楽屋を覗くと、ものすごい顔色の笹野が臥せっている。いかにも体調が悪そうで、薬を飲んでいるようだ。
苦しげな息の下、笹野が誰に向けるともなく叫ぶ。
「…もう、楽しい歌が聴きたいんやったら京町バのライブ来んといて!」
見てはいけないものを見てしまった。こそこそとライブ会場に戻ると、客席はほぼ完全水没。係の女の子が「潮が満ちると前3列以降は水につかりまーす」とアナウンスしている。
ライブは始まらない。
という夢をみた(´ー`)y-~~
8月のライブが楽しみです。