小説とか、マンガとか、映像ものとか、音楽とか、そういう人間の頭の中から生まれ出るものを愛好するヲタを長くやっていると、なにかモヤモヤとした領域に踏み込んでいることに気がつくことが多々ある。なんでヲレはこんなおかしなCCCDとかいうものを売りつけられなきゃならんのだ、とか、音楽用CD-Rなるものはいったいデータ用と何が違うんだ、とか、CPRMってわけわからん、とか。
このあたりは、いずれも「著作権」または「著作隣接権」を持つ人たちの要求により、著作権法に取り込まれた「権利」の行使によるものであるわけだが、なんかこう、技術が進歩して便利になるはずなのに、なんだか全然不自由な感じになっちゃっている。
本書は、よくよく考えてみるとなんだか異常に息苦しいことになっている現状と、その経緯を明らかにするとともに、この後起きるであろうことに注意を呼びかけている。
第1章〜第2章では、コンテンツの利用者にとってアンバランスなほどの厳罰化が進む著作権法の現状を整理。第3章〜第4章で、そのように法律が改正/改悪される経緯を、文化審議会著作権分科会の議事録を読み解く形で提示。第5章では海賊盤を例に過剰な「権利保護」に疑義を示す。そして、第6章でACTAやTPPのように非公開の場で検討されるようになってきたあたり注意を呼びかける、という構成。
こうして整理して示されると、どんだけここ10〜20年の著作権法の改正/改悪が急で、権利者の要求ばかりが通り、古いフレームワークのまま小手先の改変ばかりやってきたのかがよくわかるというもの。第3章〜第4章の、津田大介氏が委員をやっていた頃の著作権分科会の記録には、どうしてこういうイビツな状況になっているのかが端的に現れている。本書のキモ。特にダウンロード違法化の時にパブコメ送った人は読むといいと思う。
5章の海賊盤の判別要件や技術的な話はちょっと異質で浮いている感じもするが、他所で発表した文章を持ってきたらしいのでむべなるかな。
もドゾー。